科学が証明!ストレス解消法

仲が悪い夫婦ほど発言中に相手に向ける視線量が多い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 たとえば、恐怖や驚きを感じると目を見張りますし、怒ると目をむきます。こういう激しい感情を経験するときには、まぶたも瞳孔も開いています。こういった観察に関する研究は、進化論で有名なダーウィンによってもなされているほどです。

 また、科学技術振興機構の柏原らの研究(2010年)では、「心の動きは自分の意思ではコントロールできない目の動きに表れることもある」と報告されています。まさに、目は口ほどに物を言うのです。

 仮に目の動きを意識的に止めていても、マイクロサッケードと呼ばれる小刻みな動きを無意識に眼球は行っています。先の研究によれば、快感や不快感を呼び起こす心の動きは、マイクロサッケードを抑える傾向があるとも唱えています。

 そして、次のような怖いお話も。ユタ大学のベイヤーと医師のスターンバーグの研究(1977年)によれば、「適応度の低い夫婦ほど、発言中に相手(配偶者)に向ける視線量が多い」と報告しています。夫婦関係があまり良くないから改善の意を込めて真摯に目を見ているのではありません。なんと、理解し合うという意思ではなく、自分の発言が相手にどういう効果をもたらしているかを、話しながら相手を見て、常に監視、支配しようとする動機の表れである、と彼らは説明しているのです。

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堀田秀吾

堀田秀吾

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

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