時間栄養学と旬の食材

ザクロは高齢者の記憶力をアップさせる 朝食がおすすめ

ザクロ

 タンニンは抗菌効果もあるポリフェノールです。漢方における整腸や駆虫作用のもとの成分のひとつと考えられるでしょう。

 近年、ザクロには女性ホルモンが含まれているとされ、注目を集めました。女性にうれしい栄養素が豊富なのでそういわれたのかもしれませんが、残念ながら国民生活センターによる調査によると、ザクロの果汁、種子からも女性ホルモンは確認できませんでした。ただ、ザクロの種子にクメステロールと呼ばれる女性ホルモンに似たイソフラボンの仲間は検出されたようです。

 とはいえ、報告されているザクロの健康効果は微量に含まれるクメステロールより、分量の多いポリフェノールが抗炎症・抗酸化作用を発揮しているためだと考えられている報告が多いので、女性に限らず幅広い年代層に食べてほしい食材です。

 ちなみに、高齢者にザクロジュースを飲んでもらったところ、血液中の抗酸化作用の向上に加えて、記憶テストの成績がアップしたという報告も。脳の血流量が増えたためと考察されているので、朝食で食べ、シャキッとした思考回路を手に入れてみてはいかがでしょうか。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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