がんを見ながら放射線治療できる「メリディアン」は何が凄いのか?

被ばく量も少ない(提供写真)

 そうなると、1回の放射線治療時間は長くなるものの、被ばく量はずっと少なくなる。

「おかげで、これまでより強い線量の放射線を、副作用を気にせずにがんの塊に向けて照射できます。これまでは放射線を照射するのが難しいと思われたがん患者さんでも放射線治療できる可能性が出てくるということです」

■すい臓がんや肝臓がんに威力を発揮

 メリディアンのメリットはそれだけじゃない。放射線による治療期間が短縮される可能性がある。正確に照射できることで、小さい腫瘍にも高線量で対応できる。

「放射線は通常、数週間にわたって行われます。問題は、その治療期間中に体重が落ちたり、治療が効いて腫瘍の縮小が生じた場合です。正確に放射線治療を行おうとすれば、改めて照射方法などを検討しなければなりません。これを適応放射線治療と言います。それを行うには治療計画を見直さざるを得ず、そのために数日を要する場合があります。しかし、メリディアンなら、毎回の治療ごとに患者さんのMR画像を撮影しているため、放射線の量や当てる方向を決めるための治療計画に、その画像をすぐに使用することができるからです。従来なら数日かかった治療計画も1日で終えることも可能です」

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