がんを見ながら放射線治療できる「メリディアン」は何が凄いのか?

被ばく量も少ない(提供写真)

 では、メリディアンは、どんながん患者にメリットがあるのか?

「近くに直腸があり、予想以上に動く前立腺がんや、呼吸によって動きの多い肺がんや肝臓がん・すい臓がんに効果を発揮するのではないか、と期待しています。また近年は、転移があってもピンポイントでの放射線治療により成績がよくなっており、このような患者さんにも適していると思います」

 以前は転移があると“抗がん剤しかない”“手の施しようがない”とされてきたが、近年の研究では少数の転移であれば、ピンポイントでの放射線治療で生存が延びることがわかってきた。

 メリディアンなら、転移しやすい肺や肝臓の照射もMR画像で呼吸に合わせながら照射するため、正常組織のダメージを少なくすることができる。放射線治療は、がんの3大標準治療に数えられながら、正常な臓器にも影響を与えることから補助治療的な役割に甘んじてきた。メリディアンの登場でそれが覆るかもしれない。

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