英国の調査も同様で、12~13歳での接種なら、発症リスクは87%低下しましたが、14~16歳、16~18歳では、リスクの減少幅はそれぞれ62%、34%と少なくなっているのです。
こうしたデータから公的接種の対象年齢には幅がありますが、その中でもなるべく早く接種する方がよいでしょう。そうすれば毎年1万1000人が発症し、およそ2800人が命を落とす子宮頚がんを免れることができるのです。発症のピークは30代後半。女性として、とても大切な時期ですから接種しない手はないと思います。
性交渉をしていてもHPVに感染していなければワクチンは有効。海外の報告では、45歳まで効果が認められます。
今回、問題となるのが失われた8年の扱いでしょう。この間、接種率は一時、1%未満に激減。無料接種の対象であることさえ知らずに、チャンスを逃した人が相次いでいるのです。13年の対象者は今、20~24歳になっています。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵