名医が答える病気と体の悩み

深刻な病気が隠れている「腰痛」の見極め方は?

整形外科医の神田良介氏(提供写真)

 一般的な腰痛は、同時に足がしびれたり、足に力が入らないといった症状が出るケースが多く見られます。腰の神経は足に向かって通っているためです。しかし、腰の痛みと合併した足以外の違和感を覚えたら、重病が隠れている可能性があります。

 主に5つの病気が考えられます。1つ目は「内臓疾患」です。胃腸、十二指腸、胆のう、すい臓といった消化器の炎症が原因の場合、腰痛と腹痛を併発します。吐き気や嘔吐が伴うこともあります。2つ目に「泌尿器系の疾患」です。腰痛と同時に排便・排尿のコントロールができなくなったり、血尿が伴うと前立腺がんや腎炎といった疾患が疑われます。3つ目は「婦人科系の疾患」で、腰痛とともに強い生理痛や不正出血があると子宮内膜症、子宮がん、卵巣がんが考えられます。

 これらの場合で、長引く腰痛や刺すような激しい痛み、いきなりドンと痛くなる症状があれば、肺がんや前立腺がん、大腸がんといったがんが進行し、脊椎・脊髄に転移している可能性があります。

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