コロナ第6波に備える最新知識

“北の異変”は第6波の始まりなのか? 札幌と旭川で増加傾向

東京もいずれ…
東京もいずれ…(C)日刊ゲンダイ

 東京では19日に新型コロナの新規感染者数が16人で8日連続で30人を下回った。重症患者は前日から1人減って9人。死者はいなかった。

 日本全体でみても19日の新規感染者数は159人で死者もおらず、すっかり収束ムードに覆われている。

 しかし、外国に目を転じると新たな感染拡大の真っ最中というところも多い。欧州のとくにドイツは深刻で、同国政府が発表した19日の新規感染者数は5万2970人。死者は201人に上った。同国保健相は「国内の新型コロナウイルス感染状況が極めて深刻なため、ワクチンを接種した人も含めてロックダウン(都市封鎖)を排除できない」と述べるなど先行きが見えない状況となっている。ドイツのお隣のオーストリアでは完全ロックダウンを22日から実施すると発表。欧州の金融市場が動揺し、債券、通貨、株価が下落する騒ぎになっている。

 アジアはどうか? 韓国は急速に感染拡大が進んでいる。19日の新規感染者数は3034人。過去最多を記録した前日より258人少ないものの、3日連続で3000人を超えた。重篤・重症患者数は499人となった。

 なぜ、日本だけが新型コロナが急に収束し、再拡大しないままなのか。さまざまな説があるが、ハッキリしない。原因がわからない以上、いつ急拡大してもおかしくない。だからこそ警戒を怠ってはいけない。

■旭川ではクラスター連発

 気になるのは北海道の“異変”だ。ドイツより南でフランス中南部からスペイン北西部にかけたエリアとほぼ同じ緯度にある北海道では11月1~17日の新規陽性者数は全体で233人。札幌市は93人となっている。

 札幌市は5日に1年4カ月ぶりに新規陽性者数が0人になったものの、16日には23人と2ケタとなり、翌17日も23人となった。両日は連続して北海道の新規感染者数が全国最多となっている。

 日本を含めて世界でいま起きている感染拡大の多くはワクチン未接種者が中心といわれている。ならば、札幌市が特別にワクチン接種者が少ないのだろうか。

 札幌市内のワクチン接種率は17日時点で、2回接種を終えた人が12歳以上で78.3%、65歳以上の高齢者は92.4%となり、12~19歳は48.7%である。日本全体で2回目接種を終えた人の割合は19日段階で75.8%と推定されることから、むしろ、札幌市の方が進んでいるようにもみえる。

 では、11月以降の札幌市の新規陽性者93人の属性はどうなっているのか? 性別は男性36人、女性37人、非公表20人。年齢層は10代未満4人、10代3人、20代13人、30代16人、40代2人、50代7人、60代4人、70代6人、80代15人、90代3人、非公表20人。

 注目したいのは再感染者は2人いて周辺患者「あり」が64人だったこと。今さらだが、子供であっても感染するし、感染歴があろうがワクチンを打っていようが感染者の近くにいれば感染するということだ。

 問題は症状の程度だ。19日時点での札幌市の患者数は76人(軽症・中等症75人、重症1人)で入院患者31人、宿泊療養者5人と、必ずしも軽いとは言えない。

 1年前に比べて治療薬や治療法が確立して医療体制は整っている。感染数に一喜一憂する必要はないが、万一感染した時はどのような手順で診断を受け、どんな治療が行われるかは、いまのうちに頭に入れておく必要がある。

 なお、北海道では交通の要衝である旭川市で11月1日から17日までに札幌市を上回る129人の感染が確認されている。気になるのは10月下旬以降「カラオケ設備のある飲食店」でのクラスターが5件発生し、その後、高校などでもクラスターが起きたこと。年末はとかく羽目を外しがちだが、今年もおとなしく過ごす方がいいかもしれない。

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