血圧が高い人ほど大腸・直腸がんの発症リスクがアップする

血圧が高いほど大腸・直腸がんのリスクが上がる

 肥満や糖尿病、喫煙は、がんの危険因子であるとともに、金子医師が専門とする心臓病・脳卒中などの循環器疾患のリスク因子でもある。高血圧は循環器疾患の最大のリスク因子であるが、一部のがんとの関係も示唆されているのだ。

 平均1112日の観察期間中、大腸・直腸がんを発症したのは、6899例。これを金子医師らは正常血圧群、血圧上昇群、ステージ1高血圧群、ステージ2高血圧群と4つに分類。正常血圧は120/80(㎜Hg)未満、血圧上昇群は120~129/80未満、ステージ1高血圧は130~139/80~89未満、ステージ2高血圧は140/90以上。17年に発表された米国のガイドラインに基づいて分類した。

「その結果、正常血圧群より血圧上昇群は大腸がんの発症率がやや高く、ステージ1高血圧群、ステージ2高血圧群と血圧が高くなるにつれ、大腸がんの発症率が段階的に高くなりました。そして、年齢や性別などで補正した後も、正常血圧群と比較して、ステージ2高血圧群では大腸・直腸がんの発症リスクは上昇。特に男性では、ステージ1の段階から大腸・直腸がんの発症リスクが上昇しました」

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