Dr.中川 がんサバイバーの知恵

瀬戸内寂聴さんが生前に断言していた がん患者のリハビリの大切さ

常に前向きだった瀬戸内寂聴さん(C)日刊ゲンダイ

「リハビリは決して裏切らない」

 寂聴さんは、そう断言します。高齢社会の今、高齢でがんの治療を始めることが珍しくありません。寂聴さんの前向きさは、頭に入れておくべきでしょう。

 がんの治療は、手術のほか放射線と化学療法もあります。放射線と化学療法なら、治療中からリハビリをする方がより効果的です。理想は、週150分以上の中等度の有酸素運動と1日おきの筋肉トレーニングですが、メニューは療法士やリハビリのスタッフが組んでくれるので、とにかく継続すること。がん患者は「体を休める」から「体を動かす、鍛える」時代なのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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