認知症は症状が出る前に発見! アミロイドPET検査で発症を食い止める

症状が出てくる前に対策を(C)PIXTA

 ちなみに、脳の検査にはMRIやCTがあるが、脳の形態を見るものなので、脳が萎縮していないMCIの初期やSCDは見つけられない。MRIを用いる脳ドックはアルツハイマー病の早期発見に向いていない。直接的にアミロイドの沈着を発見できるのは、アミロイドPET検査だけだ。

 50代の女性は物忘れがひどく、脳に軽い萎縮があった。認知症専門病院で若年性アルツハイマー病と診断。セカンドオピニオンを求めて新井医師のクリニックを受診し、アミロイドPET検査を受けたところ、女性の脳にはアミロイドβの蓄積がなく、アルツハイマー病の病変が見つからなかった。問診や血液検査などから、その女性が長年毎晩飲んできたアルコールが脳の萎縮を招いており、物忘れはアルコール性の健忘症と診断。アルコールを控えて生活習慣を改めたところ、物忘れが減った。

「健脳ドック」では、アミロイドPETのほか、MRI、血液検査、認知機能検査も行う。

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