「家庭血圧」は「病院血圧」よりも脳卒中発症リスクの確認に役立つ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 メカニズムの詳細は分かっていないが、家庭血圧の日々の変動が大きいほど認知機能低下リスクが高いという結果もある。

「何をおいても、家庭血圧を測定するべき。若い世代ほど血圧が脳卒中発症リスクに与える影響は大きい。一方で若い世代ほど血圧への関心が低い。血圧が高血圧でも様子見のケースが多く、高血圧治療率も低い。家庭血圧測定がもっと若い世代に広まることが、長期的な日本の健康寿命の延伸に不可欠です」

 佐藤助教自身、30代だが、家庭血圧で高血圧と判明し、治療を開始しているという。脳卒中は命が助かっても後遺症という問題がある。転ばぬ先の杖、に家庭血圧がなる。

■大迫研究とは

 岩手県大迫町(現・花巻市)の住民に血圧を測定してもらい、高血圧・循環器疾患の発症との関連を調べた長期前向きコホート研究。

 家庭にて自分で測定する家庭血圧と、24時間自由行動下血圧(24時間血圧)を用いた世界初の住民ベースの疫学研究でもある。

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