独白 愉快な“病人”たち

突発性頚椎硬膜外血腫と闘う三浦雄一郎さん「ストックを突いて歩けるだけ儲けもの」

三浦雄一郎さん(左は次男の三浦豪太さん)/(本人提供)

 頚髄は、脳から手足を動かす指令を伝える運動神経や知覚神経の束で、外側は硬い膜に守られて頚椎の管を通っています。その硬膜の血管が破れて出血し、脊椎を圧迫したようです。2019年に経験した脳梗塞とはまったく違い、意識は普通にあるし、ちゃんと話すこともできました。

 救急車で運ばれたのは北海道医療センターです。到着すると、必要な検査をしてすぐに手術の準備が始まりました。そこには脊椎・脊髄の専門で有名な先生がいらして、その先生が手術をしてくれるというので「命を預けます」という気持ちでした。

 怖いとか不安は感じませんでした。自分でも「これはもう手術以外ないだろう」と思っていましたから。ただ、首から下が全身麻痺していましたから、リハビリに長い時間がかかりそうだということは覚悟しました。そのときすでに聖火ランナーを務めることが決まっていたので、「その日までにはなんとか杖を使って歩けるくらいにはなりたい」と思っていました。

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