独白 愉快な“病人”たち

突発性頚椎硬膜外血腫と闘う三浦雄一郎さん「ストックを突いて歩けるだけ儲けもの」

三浦雄一郎さん(左は次男の三浦豪太さん)/(本人提供)

 今まで何回も病気やケガや手術を経験してきたから言えることは、病気やケガや手術をした後は、少しずつ良くなっていく経験もできるんだということです。それは喜びであり幸せですよね。つまり、「治る楽しみが病気にはある」と僕は思っています。

 10月には僕が校長を務める高校(クラーク記念国際高等学校)の野球部が北海道高校野球大会で優勝しまして、決勝戦では僕も球場で応援していたんです。生徒たちは僕を励ますために頑張ってくれたのも多少あったんじゃないかなと思って、お祝いに肉を差し入れしました(笑い)。

(聞き手=松永詠美子)

▽三浦雄一郎(みうら・ゆういちろう)1932年、青森県生まれ。64年イタリア・キロメーターランセ(スピードスキー)で当時の世界新記録を樹立。70年にエベレストで世界最高地点スキー滑降を成し遂げ、その記録映画「THE MAN WHO SKIED DOWN EVEREST」はアカデミー賞を受賞した。85年には世界7大陸最高峰のスキー滑降を完全達成。2003年(当時70歳)と08年(当時75歳)に次男とともにエベレストに登頂。プロスキーヤーとして今なお挑戦し続けている。

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