秒速薬膳でアッという間に健康に

「気」「血」不足のめまいはブロッコリー・牛肉・ニンジンで対処

牛サラダ丼
牛サラダ丼(提供写真)

 動くとクラクラ、目の前がグルグル……。病院で検査しても頭や耳に異常がない「原因不明のめまい」の改善には薬膳が役立ちます。

 中医学において、めまいは「眩暈(げんうん)」と呼ばれ、タイプごとの対策が必要です。大きく4つのタイプにわかれ、今回は「気と血不足タイプ」と「水分過剰タイプ」について説明します。

「気と血不足タイプ」は、生命活動を維持するエネルギー源である「気」と、全身に流れて体に栄養を与える「血」の不足が原因のめまいで、動くとクラッとする、フラフラするといっためまいが特徴です。倦怠(けんたい)感があり、やたらと眠い、低血圧、疲れ目、動悸(どうき)・息切れ、不眠といったトラブルも見られます。この場合、気と血を速やかにチャージする食材を取り入れることが大切です。気を補うには豆類、キノコ類、イモ類、ブロッコリー、卵。血を養うには牛肉、カツオ、マグロ、ニンジン、ホウレンソウ、小松菜がおすすめ。また、症状を悪化させる過労や睡眠不足にも要注意です。


■気と血不足タイプめまい改善レシピ


牛サラダ丼

 気を補うブロッコリー、血を補う牛肉、ニンジンを組み合わせた丼。牛肉大和煮缶、ブロッコリースプラウトで手軽に完成。ポン酢風味でさっぱりといただけます。

【材料】2人分
●牛肉大和煮缶(90グラム) 2缶
●ニンジン  2分の1本
●ブロッコリースプラウト  1パック
●ごはん  丼2杯分
●たれ(ポン酢、オリーブオイル各大さじ2)

【作り方】
 丼にごはんを盛り付け、牛肉大和煮、皮をむいてすりおろしたニンジン、ザク切りにしたブロッコリースプラウトをのせて混ぜ合わせたたれをかける。

アスパラとコーンのマスタード風味
アスパラとコーンのマスタード風味(提供写真)

「水分過剰タイプ」は、体内で過剰になった水分が原因のめまいです。グルグル回転するようなめまいで、吐き気を伴うことも多く、雨の日に悪化しやすいのが特徴。そのほか、体や頭が重だるい、むくみ、下痢といった不調も見られます。また、胃腸虚弱、胃下垂の人に多い傾向があります。

 このタイプは、滞った水の巡りをスムーズにして、利尿を促す食材を取り入れること。おすすめはトウモロコシ、アスパラガス、緑豆モヤシ、海藻類。体内の余分な水分をしっかりと追い出す高い効果があるのです。また、冷たい飲みものの大量摂取や揚げもの、脂っこいものは余分な水分をためこむ原因になるので控えましょう。


■水分過剰タイプめまい改善レシピ

アスパラとコーンのマスタード風味


 水分代謝をアップするアスパラガスとトウモロコシを組み合わせたレシピ。カレーとマスタードを利かせたマヨネーズでおいしさがアップ。

【材料】2人分
●ホワイトアスパラガス缶(250グラム)  1缶
●コーン缶(180グラム)  2分の1缶
●ドレッシング(マヨネーズ大さじ2、粒マスタード大さじ1、カレー粉小さじ2分の1、にんにくすりおろし少々、レモン汁少々)

【作り方】
 ボウルに食べやすく切ったホワイトアスパラガス、コーンを入れ、混ぜ合わせたドレッシングも加えてあえる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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