上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

病気を見つけるためにトイレの自動洗浄機能はオフにしておく

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 便や尿の性状は、自身の健康に関するとても重要なバロメーターになります。自分が食べたり飲んだりしたものに対し、排出されたものはどんな状態なのか……便や尿の色、形状、においなどは、いまの自身の健康状態を反映していますし、病気の早期発見にもつながります。

 例えば、膀胱がんの場合、血尿が出ているのを自分で確認したことで発覚するケースは少なくないですし、血便が1週間に2回ほどあったからと受診したところ、早期の大腸がんが見つかった人もいます。とりわけ、心臓治療や脳梗塞予防のために血液をサラサラにする抗凝固薬を飲んでいる人は、消化器系のがんなどでは早い段階で血尿や血便が現れます。

 このように、毎日定期的に自分で行うことができる“早期診断”のチャンスを逃さないためにも、トイレの自動洗浄機能は「オフ」にしておくことをおすすめします。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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