ワクチン接種後の報告多数 注意すべき「胸痛」を見逃してはいけない

写真はイメージ

 胸痛が一時的なものであれば、過剰に心配する必要はない。ただ、厚労省が注意喚起しているように、心筋炎などの心臓トラブルが生じているケースもある。また、高血圧、高血糖、高脂血症といったリスクを抱えている人が、接種をきっかけに何らかの心臓病を発症し、胸痛がサインとして表れていることも考えられる。

■心筋梗塞や大動脈解離の可能性も

 ワクチン接種後だけではなく、日頃からどんな胸痛に気を付ければいいのか。

「胸部には、肺、胸膜、心臓、骨、神経、筋肉、消化器の一部が存在するため、痛みが生じる原因はさまざまです。その中でも、とりわけ注意すべきなのが心臓や大動脈が原因の胸痛です。命に関わる狭心症、心筋梗塞、大動脈解離のサインになっている場合があるのです。生活習慣病、喫煙、過剰なストレスなどが原因で動脈硬化が進むと、プラークなどで血管が狭くなって血液が流れにくくなります。すると、心臓が虚血(酸欠)状態になったり心筋組織が障害されることで発痛物質が作られ、痛みとして表れるのです」

2 / 4 ページ

関連記事