肺がんの治療を左右するのは、とにかく無症状のうちに見つけること。そのためには月並みですが、検診です。男性の40%、女性の70%を占める肺腺がんはX線で見つかりやすい。もちろん肺のCT検査も有効ですが、まずは1年に1回の肺がん検診が重要です。
そんな中、NECのグループ会社が血液で5年以内の肺がんリスクを調べるサービスを始めるといいます。がん専門医からすれば、最近話題の線虫検査よりはマシという程度でしょう。
線虫検査は肺がんや胃がん、大腸がんなど15のがんを発見するとの触れ込みですが、全体を網羅した判定でどのがんが高リスクなのか分かりません。しかし、今回の血液検査は肺がんに特化したものですから、もし高リスクなら肺のCT検査→組織検査で肺がんと診断されます。
新しい検査におカネを使うなら、公費で受けられる検診を毎年きちんと受けるべきでしょう。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵