進化する糖尿病治療法

「運動習慣」がある人は感染症にかかっても重症化しにくい

写真はイメージ

 加えて、運動ガイドラインで推奨された運動をしていない運動不足の人は40歳以上で57.3%、糖尿病のリスクのある人で57.7%に上り、コロナのパンデミックによる運動不足は糖尿病発症の9.6%、世界の全原因による死亡の12.5%を新たに引き起こすと推定しています。

 この欄でも繰り返し紹介しているように、テレビを見ているときなどにストレッチをする、仕事中30分や1時間ごとに立って少し歩き回る、ランチを少し遠めの店で取るなど、ちょっとしたことでいいので、体を動かそうという意識を持つべきです。その際、「やっていて楽しい」というところまでいかなくても、「つらい」と感じないものを選ぶといいでしょう。

 ある40代の会社員は、「体を動かす習慣を身につけなくては」と一念発起し、今年の元旦から早朝ウオーキングを始めました。ところが日の出が遅い冬ですから、ウオーキングを始める時間帯はまだ外が暗く、どうも気乗りがしない。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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