感染症別 正しいクスリの使い方

【顔面神経麻痺】頭痛から数日後に左目が閉じられなくなり…

写真はイメージ

 もともと耳の痛みから始まったのですが、この痛みに加えてキリで刺されるような痛み、髪の毛全体がピリピリするような痛み……と、3種類の痛みが続きました。

 麻痺は連日悪化傾向で、左顔面全体が垂れ下がって動きません。眉の位置も落ちていて、鏡で顔を見ては落ち込んでいました。左目は開きっぱなしで閉じられなくなり(兎眼=とがん)、洗顔では目に水が入るので痛みを感じます。そのため、入浴時は競泳用ゴーグルを装着していました。角膜が傷ついて失明してしまう危険があるので、夜寝る時はテープで留めて閉じさせていました。

「パ行」がしゃべりづらくて、笑えません。汁物も口からこぼれてしまいます。舌はしびれていて、ご飯を食べている時に噛んで出血したこともありました。お寿司やスプーンで食べることができるカレーライス(刺激物はダメなので辛くないもの)など、一口サイズのものが食べやすかった印象です。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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