また、血管は動脈と静脈だけではない。人体には総計で約10万キロメートルもの血管が走っているが、その約95%は毛細血管になる。
動脈と静脈の間をつなぐ直径5~20マイクロメートルの極細の血管のため、詰まったり切れたりするトラブルが起こりやすい。近年、その毛細血管が消えてしまう「ゴースト血管」が問題になっている。
毛細血管の壁には無数の穴があり、そのすき間から栄養素や酸素が溶け込んだ血液成分がにじみ出し、体中の臓器や筋肉に入り込み、その周辺の細胞に血液を届けている。ところが、何らかの理由でこれらが漏れすぎてしまい、末端まで流れなくなることがある。
また、血液を届ける先の筋肉や臓器に元気がなくなって、毛細血管が不要になってしまうケースもある。
「毛細血管が減っていくと、当然、血流が悪くなって血圧が高くなり、体調不良の原因になることがあります。毛細血管を増やすのに有効なのは『筋力トレーニング』です。筋肉が大きくなれば毛細血管が増え、血流が良くなって、血管も元気になります。有酸素運動が血管の老化防止に効果があると説明しましたが、無酸素運動の筋トレと有酸素運動をバランス良く行うことがベストなのです」
病気を近づけない体のメンテナンス