新型コロナワクチンの疑問に答える

オミクロン株に罹患したらどのような症状が出るのか

外国人の新規入国原則停止で人影もまばら(成田空港)/(C)日刊ゲンダイ

【Q】政府は今月末まで外国人の新規入国禁止をしている。本当に必要か?

【A】「少なくとも、蔓延している国からは禁止したほうがいいですが、水際作戦は多少緩和しても変わらないかも知れません。正月を迎え帰国する日本人などは10日ほど隔離したのち、解除してもよいと思う。もっとも、感染拡大防止対策は必要ですが、重症化、死亡者の点から考えると過剰に恐れることはないでしょう」

【Q】ワクチンはオミクロン株に効かないといわれる。新株に対応できるワクチンはいつできるのか?

【A】「確かに、オミクロン株はスパイクタンパクが32個以上変異しているため、従来のワクチンでは非常に効きづらいと思われます。抗体カクテル療法も同様です。ワクチンは、ほかの変異株に対する予防効果にはなりますが、オミクロンには3度のファイザーワクチンを打った人も少なからず感染した。政府は今からでもこの変異株に対し、ワクチンを作るよう第一三共(mRNAワクチン)、KMバイオロジクス(不活化ワクチン)に要請すれば理論上、すぐに作れます。ただし、南アフリカにワクチン支援をしつつ、Ⅲ相の臨床試験を共同して行わないといけないため、患者が少ない国内のみでは不可能でしょう。米国ではすでにオミクロン株用ワクチンを考え、必要なら3カ月で供給可能と述べています。世界の感染状況をみると、今までのワクチンが本当にオミクロン株に効かないかはもう2週間ほどで判明してくると思われます」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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