「先生、いま死ぬわけにはいかないんです」と入院当初、切実に訴えられたその患者さんと、「お母さん帰ってきて良かった。まだ病気が治ってないから寝ているの? 僕と一緒に寝たら早く治るかな」というお子さんの言葉に胸が締め付けられました。
私たちは病院医師と相談して、使用して問題のない化学療法を続けながら、少しでも元気で良い状態で家族と残された時間を過ごせるよう支援しました。
訪問のたびに患者さんとご家族は笑顔で過ごしていらっしゃったのが印象的でした。
やがてこうして患者さんは4カ月後に旅立たれていかれました。
病気というのは理不尽なものです。それに一生懸命立ち向かう患者さんたちを支え手助けすることが少しでもできる。それが一人一人の生活と共にある「熱心な在宅医療」であると確信しています。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと