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肥満でコロナが重症化する意外なワケ スタンフォード大が発表

アメリカ人の4割以上が肥満症(C)ロイター

 新型コロナウイルス感染症の重症化が肥満症の人に多いのは、ウイルスが脂肪細胞に直接感染するから……というスタンフォード大学の研究結果が話題になっています。

 アメリカでは新型コロナが重症化して死亡した人は、圧倒的に黒人やヒスパニック先住民族が多く、白人やアジア人を大きく上回っています。これまでその理由は黒人やヒスパニックに肥満症が多いこと、さらにそれと併発した糖尿病や心臓疾患などの既往症が大きく関係していると考えられていました。

 ところが今回の研究結果では、新型コロナウイルスが脂肪細胞と、さらに脂肪の中にある免疫細胞にも直接感染することで、急激な体の防衛反応によって強い炎症が引き起こされ、重症化してしまうと説明しています。

 この研究はまだほかの研究者によって査読されていませんが、もしこれがはっきりと証明されれば、これまで謎だった既往症がまったくない若い肥満症患者の重症化についても説明がつくことになります。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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