衣服にセンサーを組み込んだスマートアパレル「イースキン」ブランドを開発、販売する東大発ベンチャー「Xenoma(ゼノマ)」(東京都大田区)。そのブランドの中で「イースキン・スリープ」シリーズは、睡眠管理に役立てるヘルスケア製品になる。
イースキン・スリープの技術を用いた製品(パジャマ)は、他のアパレルメーカーから2020年に販売されている。そして、今年5月に自社製品としてオンライン販売を開始したのが「スリープ・Tシャツ」だ。
基本的にパジャマもTシャツも腹部にあるポケット内のコネクターに、「ハブ」と呼ばれる小型デバイスを接続して使用する。どんな仕組みで睡眠管理に役立てるのか。同社・代表取締役CEOの網盛一郎氏が説明する。
「ハブには、人の動きを感知するモーションセンサーが内蔵されていて、寝返りや心拍数、呼吸数などの情報を抽出します。また、ポケット内の温度センサーによって、睡眠中の衣服内温度も計測します。そのデータがブルートゥースによってスマホの専用アプリに送信され、解析されて自分の眠りの状態をスコアやグラフなどで把握することができるのです」
アプリ画面には、まず睡眠状態が5項目評価(各20点)で、100点満点中、何点か表示される。評価項目は、毎日規則正しく起きているかの「起床時間のリズム」「寝入り時間」「熟睡度」「睡眠の合計時間」「睡眠の深さ」で、五角形のレーザーチャートで確認できる。その上で、ひと晩の衣服内の温度推移、睡眠ステージ(レム睡眠など5段階)の推移・割合を見ることができる。
これらの評価で自分の眠りを把握できるだけでなく、サポートもしてくれる。週に1度(基本的に土曜日)、“週間レポート”として、どうしたら質の高い睡眠が取れるのか「睡眠改善アドバイス」が届く。個々のユーザーに合わせた指導は、睡眠改善に豊富な実績を持つスリープテック企業が担当しているという。
「従来の睡眠計測デバイスはリストバンド型や寝具一体型などが主流でしたが、Tシャツ型であることで、より自然な状態で計測できます。また、別売りのスマートリモコンと接続すると、睡眠中の衣類内温度や睡眠ステージに合わせてエアコンの設定温度を自動調節できます」
スリープ・Tシャツの価格は、Tシャツとハブのセットで2万7500円(税込み)、Tシャツ単品は1万1000円(同)、スマートリモコンは7150円(同)だ。
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