「トイレが近くなるのが嫌だ」という理由で、水分摂取を控えている高齢者は少なくありません。これは、心臓にとって最も良くない習慣のひとつです。仮に1リットルの水を飲んでも、そのまますべてが腸管から吸収され血管の中に入るわけではありません。状況にもよりますが、口から飲んで血管内に移行する水分は、摂取した量のおよそ3分の1から半分程度です。それ以外は体の中の組織などに潤いを与えるために使われます。ですから、意識的に水分摂取を控えていると、脱水になるリスクがかなり高くなります。
一般的に排尿の回数は1日7~8回といわれます。これに、就寝中の夜間に1~2回、トイレに行くのが普通です。逆に言えば、トイレの回数がそれよりも少ない人は摂取している水分の量が足りていないと考えられます。その場合、意識して水分を多く摂取するようにしましょう。1日に3リットル以上の水を飲むといったように極端に多く摂取しなければ、水の飲みすぎによる健康トラブルは起こりません。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」