進化する糖尿病治療法

アルコールのカロリーは糖質より「度数」の方が糖尿病には影響が大きい

写真はイメージ(C)PIXTA

 そのため、メトホルミンを服用している人はお酒を飲み過ぎないこと。事前に主治医に相談し、どれくらいの量に抑えるべきか確認することもお勧めします。場合によっては、大量にお酒を飲んだ時はメトホルミンの服用を一時的にやめたほうがいいかもしれません。それに関しては、自己判断は厳禁。主治医の判断が必要ですので、「お酒が好きなんですが、飲み方はどうすれば……」と正直に事情を話して、判断を仰いでください。

【カロリーの過剰摂取を避ける】

 低血糖対策の点から、アルコールを飲むときは食事もきちんとして欲しいのですが、一方で、アルコールによるカロリーの過剰摂取も心配です。

 アルコールに含まれるカロリーそのものが高い上に、飲み始めは「少しだけ」と思っていても、酔いが進むと次第に理性をつかさどる大脳皮質の活動が低下していくため、アルコールを飲み過ぎ、さらには普段は控えている高カロリーな揚げ物や炭水化物などを食べ過ぎてしまう危険性があります。前述しましたが、締めにラーメンは、血糖コントロールに影響を与えてしまいます。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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