発生メカニズムとして有力視されているのは「三叉神経血管説」。脳に何らかの刺激が加わり、三叉神経の末端からCGRPという神経ペプチドの一種が放出され血管が拡張し、強い痛みが引き起こされる。CGRPは三叉神経周囲に炎症も起こし、疼痛シグナルとして大脳皮質で「痛み」として知覚される。
「頭痛専門医は一般的に『国際頭痛分類』の診断基準にのっとって片頭痛を診断しますが、専門医以外になると、必ずしもそうではないのが現状です」
よくあるのが、片頭痛の過小評価だ。
受診時には片頭痛の症状のピークを過ぎているため、患者さんがつらさを訴えても、「大した頭痛じゃない」「ある程度薬が効いているなら、それでいいでしょ」となってしまう。
激しい頭痛が生じている段階で受診しても、画像診断でくも膜下出血や脳腫瘍といった二次性頭痛が否定されると、「ただの頭痛でよかった」となり、やはり過小評価につながりがちだ。