独白 愉快な“病人”たち

オシメをして舞台に…俳優・江藤博利さんが膀胱がんとの闘病を振り返る

江藤博利さん(C)日刊ゲンダイ

 舞台公演は3日間だったので、入院はそれが終わってからにするとして、しばらくは誰にも言わず稽古をし、舞台にはオシメをして立ちました。自然に血が出てきちゃうからです。出血は少量でしたが、もし舞台中に大量出血したらシャレになりませんから用心のためにね。

 無事に千秋楽を終えたその夜に、初めてみんなに事情を話して翌日から入院する旨を告げたので、全員が驚いていました。ただ、「見舞いには来るな」と言いましたよ。気を使わせるのが嫌だったんです。劇団員はお金がないですから(笑い)。

 幸い初期の膀胱がんだったので、1時間半ぐらいの手術と1週間の入院で済みました。手術も部分麻酔で尿道から内視鏡を入れて腫瘍を切るだけ。でも、退院後の検診で腫瘍が取り切れていないことを告げられ、1カ月後に再手術となりました。

 説明によると1回目は部分麻酔だったので無意識に脚の神経がピクピク動いてしまい、誤って神経を切る可能性があったため取り切れなかったとのこと。そんなわけで2回目は全身麻酔でした。

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