独白 愉快な“病人”たち

オシメをして舞台に…俳優・江藤博利さんが膀胱がんとの闘病を振り返る

江藤博利さん(C)日刊ゲンダイ

 2回分の手術費がかかったことは理不尽だと思いましたが、保険に入っていたので結果オーライでした。若い頃は保険なんていらないと思うタイプでしたけど、結婚したときにたぶん加入したんでしょうね(笑い)。助かりましたよ。だから、若い人も保険には入ったほうがいいと思います。

 術後の痛みなどは一切なく、食欲も旺盛でした。食事制限はまったくなかったんですけど、病院の食事は味気なくて、自分にとっては物足りなかった。カミさんが大量に持ってきてくれるふりかけやキムチなどの「ごはんのお供」にどれだけ助けられたことか。病室でもやることがなくて、持ってきてもらったビデオをひたすら見ては、当時は病院にもあった喫煙所へ行ってたばこを吸っていました。

 お酒やたばこはやらないほうがいいとよく言われますが、やめることでストレスが増えることの弊害もあると思うんですよね。「やめたほうがいい」と言われれば言われるほど、「イヤ」と言ってしまうあまのじゃくな性格もあって、自分は相変わらずたばこも吸うし、お酒も飲みます。でも、不思議なことに自宅では飲まないんですよ。飲める口のカミさんに誘われても、家ではコーヒーばかり。たぶん、お酒を飲むお店の雰囲気や、いろんな人とガヤガヤ話しながら飲むのが好きなんでしょうね。

3 / 6 ページ

関連記事