秒速薬膳でアッという間に健康に

精力増強にはエビとニラで「腎」を温める 下半身をパワーアップ

桜エビとニラの中華あえ
桜エビとニラの中華あえ(提供写真)

 いくつになっても、昼も夜も元気でありたいもの。気になる性機能の衰えを食の力で取り戻しましょう。

 精力減退は、中医学において老化や生殖をつかさどる臓器「腎」の衰えが原因とされています。その機能が弱まると、腰痛、足腰がだるい、頻尿、夜間尿、下半身がむくむ、性機能の衰え……と「下半身トラブル」が一気に増加します。

 下半身のパワーをアップするためには、とにかく腎の働きを高めることが大切。そして性機能に関わる腎の衰えには、腎が冷えている「腎冷えタイプ」、熱を持っている「腎熱タイプ」の2つのタイプがあります。どちらかを見極めて対策を取ることが重要です。「腎冷えタイプ」は腎が冷えて体を温める力が弱くなっていることが原因のタイプです。寒がり、足腰が冷えるなど「冷え」の特徴が顕著で、普段から疲れやすく、顔色が悪いといった傾向があります。また、朝方に下痢をするのもこのタイプに見られがちな症状です。とにかく下半身が元気にならない、あるいはそもそも「その気にもならない」という人は、まずこちらのタイプと考えられます。改善のためには腎を温める食材を取り入れること。

 おすすめはエビ。腎の機能を高めるとともに、魚介類の中で最も体を温める効果があるのです。しかも精力増強に威力を発揮するので、腎冷えタイプの下半身強化には欠かせないシーフードです。そのほかウナギも腎のエネルギーをしっかり増強するのに役立ちます。野菜ではニラが腎の衰えを回復する効果があります。足腰の冷え解消にもよく、古来、強壮剤として使われていた野菜です。

 一方、腎が熱を持って水分が不足していることがトラブルの原因になるのが「腎熱タイプ」。手足が火照る、のぼせるなどの熱感、水分の不足による皮膚の乾燥、ドライアイといった特徴が見られます。腸の乾燥で便秘がちという人も。このタイプは下半身に持続力がない人が多く、勢いを持続させるためには腎に不足した水分を補うことが重要です。

 おすすめは貝類。とくにカキは、腎のパワーアップと水分のチャージに貢献してくれます。アサリ、ハマグリ、ホタテも改善に役立ちます。

 野菜ではナガイモが腎を強化して、精力を増強してくれます。ナガイモの別名は「山のウナギ」。滋養強壮の生薬としても使われるほどパワフルな野菜は必食です。そのほか海藻類もおすすめです。

■腎冷えタイプ精力増強薬膳レシピ

桜エビとニラの中華あえ

 腎を温める桜エビとニラを組み合わせたレシピ。オイスターソースの風味でご飯が進む味わいです。

【材料】
●ニラ  1わ
●桜エビ  大さじ2
●ショウガ  1片
●ニンニク  1片
●たれ(しょうゆ=大さじ1、オイスターソース=少々)
●レモン汁  少々

【作り方】
 ニラは熱湯に入れて10秒で引き上げ、水気を絞ったらザク切りにしてボウルに入れる。すりおろしたショウガ、ニンニク、たれ、レモン汁も加えて混ぜる。

カキフライとろろソース
カキフライとろろソース(提供写真)

■腎熱タイプ精力増強薬膳レシピ

カキフライとろろソース

 腎熱タイプにおすすめのカキ、ナガイモ、海藻を組み合わせたレシピ。青のりの風味でとろろがカキにベストマッチ!

【材料】
●カキフライ(市販品)  8個
●ナガイモ  8センチ
●からし  少々
●中濃ソース  適量
●青のり  適量

【作り方】
 器にカキフライを盛り、皮をむいてすりおろしたナガイモにからしを混ぜてのせ、ソースをかけ、青のりをふる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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