進化する糖尿病治療法

ストロング系チューハイ「2本目」に手を伸ばす前に考えてほしいこと

甘い口当たりと清涼感でつい飲み過ぎてしまう

 ストロング系缶チューハイを4~5本飲めば、日本酒を4~5合飲んでいるのと同じこと。人にもよるかと思いますが、ストロング系缶チューハイ4~5本を飲み干すのと、日本酒4~5合飲むのにかかる時間を比較すると、後者の方がずいぶんゆっくりなのではないでしょうか? また、後者の方が「今日は飲み過ぎた」という認識が強いのではないでしょうか?

 短時間にかなりの純アルコール量を摂取すると、血中のアルコール濃度が急激に上がり、気が付いたら泥酔状態になってしまいます。「糖類ゼロ」「プリン体ゼロ」をうたっているストロングゼロは日本酒やビール、ワインなどと比べて一見ヘルシーに思えてしまいますが、必ずしもそうとは言えないのです。

 また「糖類ゼロ」は、糖類が0グラムというわけではありません。炭水化物の中に糖質が含まれ、糖質の中に糖類が含まれます。糖質は炭水化物から食物繊維が抜かれたもので、その中で体内への吸収の際に消化の必要がない砂糖、果糖、ブドウ糖などが糖類になります。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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