感染症別 正しいクスリの使い方

【肺炎】ニューキノロン系抗菌薬は結核を否定してから使う

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 それなのに、少しだけ症状が改善することによって、結核の発見自体が遅れる可能性が出てきます。発見が遅れるとそれだけ治療も遅れますし、多くの人にうつしてしまう可能性も出てきてしまうのです。さらに、単剤での結核治療は、耐性菌の出現を招くリスクも高めます。

 日本は結核の「中蔓延国」です。肺炎治療の際も、結核はしっかり否定しておく必要があるのです。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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