コロナ感染者数激増中の米国の現状は? NYでは2週間で4倍に

オミクロン株が猛威を振るう米国で新型コロナウイルスの検査を受ける人
オミクロン株が猛威を振るう米国で新型コロナウイルスの検査を受ける人(C)ロイター

 医療従事者を対象にコロナワクチンの3回目の接種が進む中、厚労省はファイザーに続き、モデルナのワクチンについても3回目の接種に使用することを12月16日に承認した。対象は18歳以上で、2回目から6カ月以降期間をあけ、2回目までの半分の量の接種となる。

 厚労省は、在庫となっているモデルナのワクチンを医療従事者への接種にも配分できると都道府県へ周知。また、来年3月から始める職域接種や、これまでファイザーのワクチンを使用していた自治体の個別接種、大規模接種でも、モデルナを使用。1、2回目とは異なるメーカーのワクチンを接種する「交互接種」を進める方針だ。

 3回目接種が先行している米国では、どういう状況か? 日刊ゲンダイ連載「ニューヨークからお届けします」の筆者で、ニューヨーク在住のジャーナリスト、シェリーめぐみさんが言う。

「オミクロン株の流行もあり、コロナ感染者数は22日時点で1日17万人。特にニューヨーク市内は1日1万2000人超、2週間で4倍というすごい増え方で、検査陽性率も10%超えです。3回目接種へのテコ入れが行われ、検査体制の拡充、KN95マスクの配布などが始まっていますが、これだけでは感染カーブを下げるのは難しいという専門家もいます」

 米国の研究では、交互接種でも抗体価の上昇が良好との結果が出ており、副反応についても、同種接種と交互接種との差はないとの報告。

「日本ではJ&Jのワクチンは承認されていませんが、アメリカでは16日時点で非常にまれではあるものの血栓ができる症状が報告されており、CDC(米疾病対策センター)はJ&Jよりもファイザー、モデルナのワクチンを推奨すると発表しています」(シェリーさん)

 20日、モデルナの新たな発表があった。モデルナのワクチンを3回接種することで、オミクロン株への中和抗体の効果は大幅に上昇し、米国や日本で3回目に使用される50マイクログラムの接種ではおよそ37倍、最初の2回と同じ100マイクログラムではおよそ83倍になったという。この結果が、今後「3回目、どのワクチンを選ぶか」に影響してくるかもしれない。

 日本でも懸念されている副反応、心筋炎。CDCは接種1週間以内に心拍数の変化や息切れがあった場合は医療機関にかかるよう呼びかけているが、「かかっても軽く、治療で回復も早い。それよりも、接種しないで感染した場合の重症化や死亡、長期の入院、後遺症などのリスクの方が非常に高い。私の知人は、コロナから回復して1年以上経っても、味覚と嗅覚が戻っていません」(シェリーさん)。

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