コロナ禍で検査が減少…喫煙者で息切れがあればCOPDに注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「肺は“余力”がかなりある臓器で、相当悪くならないとつらさを感じにくい。加えて、時間をかけて進行するので、体が息切れなど症状に慣れてしまう。患者さんに話を聞くと、“5~6年前から息切れがあった”という返事があることは珍しくない」

 COPDの早期発見、早期治療が肝心なのは、損傷した肺は元に戻らないからだ。

 早期であれば禁煙や薬物治療によって、健康な人とほぼ変わらない生活を送れる。運動、ゴルフ、旅行、山登りなども楽しめる。

 しかし、診断・治療が遅れると、進行を十分に抑えられず、体を動かせない生活になる可能性もある。

 COPDは前述の通りフレイルとも関連するが、早期治療はフレイルの予防にもなる。それだけではない。ほかの病気の早期発見につながるかもしれないのだ。

「COPDは現喫煙者の15.4%、元喫煙者の15.6%に発症するといわれています。そもそも、たばこは動脈硬化や肺がんなどさまざまな病気の危険因子ですが、現喫煙者・過去喫煙者でCOPDになる人は、たばこの有害物質の影響をより受けやすいことが考えられます。COPDの早期発見をきっかけに、ほかの“たばこ関連の病気”にも注意を向けることで、それらの早期発見も期待できるのです」

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