3回目の接種に備える 新型コロナワクチン8つの疑問(後編)副反応はひどくなる?

初回と違うメーカーのワクチンを接種することを「交互接種」という
初回と違うメーカーのワクチンを接種することを「交互接種」という(C)ロイター

⑤1、2回目とは異なるメーカーのワクチンでも効果はある?

 初回と違うメーカーのワクチンを接種することを「交互接種」という。日本では追加接種において、ファイザー製、または武田・モデルナ製が薬事承認されており、初回接種時のワクチンの種類に関係なく、ファイザー製、または武田・モデルナ製のどちらかの接種となる。交互接種も可能。

「米国の研究では、交互接種も含め追加接種での抗体価の上昇が良好との結果が出ています。副反応に関しても、交互接種と同種接種で差がなかったとの報告です」(〆谷部長)

⑥1、2回目の副反応がひどかった。3回目もひどく出る可能性は?

「ファイザー社製では米国の追加接種の臨床試験で、副反応は2回目に確認されたものとおおむね同様という結果。リンパ節の腫れの発現割合が5%程度と、1、2回目よりもやや高く報告されてますが、ほとんどが軽度で、短期間で症状が治まっています」(〆谷部長)

 ニューヨーク在住のジャーナリスト・シェリーめぐみさんは、すでに3回目を接種済みだ。

「周囲に話を聞くと、2回目と副反応はほぼ同じ。疲労感と筋肉痛が一番多く、発熱、頭痛、悪寒など2回目がひどかった人は、3回目も重かったと話していました。ただ、ほとんどの人が2~3日で症状が改善しています。なお、交互接種で副反応がひどく出た、または軽減したとの研究結果はなく、そういった声も聞いていません」

⑦今後4回目の接種はあるのか。毎年接種になる?

「今のmRNAワクチンの効果の持続期間、新たな変異株の出現、現時点での重症化や死亡リスクなどを考えると、3回目接種から6カ月後に4回目が始まるケースは十分にあり得ます。現在、数十年間、免疫が持続する天然痘ワクチンに新型コロナの遺伝子の一部を組み込んだワクチンが日本で開発されています。一度接種すれば、長期間にわたって免疫機能が維持されると期待されます。そうした新たなワクチンが登場したり、ウイルス自体が大幅に弱毒化しない限り、今後は毎年6カ月ごとの接種になる可能性もあると考えておいたほうがいいでしょう」(東丸氏)

⑧3回目接種が進むニューヨークで注目されているトピックスはある?

「米国では、再びデルタ株による感染が拡大しており、さらにオミクロン株が加わることで、ワクチン接種者が急増しています。通常の接種年齢を5~11歳にまで引き下げたため、大人の3回目と、子供の接種を同時にできるファミリーワクチンセンターの拡充を急いでおり、またニューヨーク市長は12月6日、米国の都市として初めて、12月27日以降すべての民間企業の従業員に対してワクチン接種を義務付けると発表。飲食店でのワクチン証明提示を5~11歳の子供に対しても拡大しました」(シェリーさん)

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