がんと向き合い生きていく

薬でがんは予防できるのか アスピリンは大腸がんを抑制する

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 しかし、2021年11月の検討部会で、海外の大規模試験から予防効果が示されているとして、積極的勧奨を今年4月から再開することを決めました。

 肝がんは、その主要因はC型肝炎ウイルス(HCV)やB型肝炎(HBV)の持続感染によるものです。2016年10月1日から、B型肝炎ワクチンが定期接種となって行われています。

 このように、薬やワクチンによって予防できるがんがあるのはたしかです。ただし、がんの発生には、喫煙、飲酒、食事、運動不足、太り過ぎなどの要因が関係しているので、生活習慣の改善が大切です。

 人生、先は何が待っているか分かりません。それでも、今年はきっと良いことがあることを信じて生きていきたいと思います。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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