感染症別 正しいクスリの使い方

【ノロウイルス】ワクチンも治療薬もないため対症療法が行われる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 現時点でノロウイルスを事前に予防できるようなワクチンはありません。また、ノロウイルスには直接有効な抗ウイルス薬もありません。そのため、基本的には症状に応じた対症療法を行います。特に、下痢、嘔吐に伴って脱水症状を起こすケースが多く、子供や高齢者の脱水症は致命的になる場合もあるため、早めに医療機関を受診することも大切です。脱水症状がひどい場合には、点滴治療を行うこともあります。

 次回はノロウイルス感染症における感染予防対策についてお話しします。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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