最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

90歳代の3兄妹が最期を自宅で迎えるためにやったこと

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その日は、まずは点滴を始めました。そして、その後も往診を重ね治療を施していくうち、採血データや症状は回復していくのですが、それでも食欲は戻りません。このように高齢者の方が体調を崩してから回復が難しいケースは珍しくはありません。選択肢として入院もお勧めしましたが、やはり最終的にはご自宅がよいとなり、在宅医療を続けることとなりました。

 その後、患者さんは大好きなスイカや、かき氷を食べて暑い夏を過ごされ、しかし徐々に衰弱し、冬の季節を迎える前に、弟さん、妹さんに見守られながら旅立っていかれました。

 そしてその2年後、今度は次男の方の元気がなくなってきたとのことで、再び在宅医療を開始しました。

 弟さんの場合は認知症のほか、たくさんのお薬を飲まれていたので、まずはその内服薬を必要度の高いものだけを飲んでいただくように整理しました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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