医者も知らない医学の新常識

薬指が長いのは幸運のしるし?ポーカーの引きの強さに関係

写真はイメージ
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 最近は性別による肉体の特徴については、あまり言及しない社会になっています。男性的とか女性的ということが、社会的差別につながるという認識があるからです。ただ、医学の世界では、遺伝子や性ホルモンによる男女の差について、今でも科学的事実として研究されています。

 あまり知られていない男女の肉体的な差として「人さし指と薬指の長さの違い」というものがあります。男性は女性より、短い人さし指と長い薬指を持っている、というのです。女性では人さし指と薬指の長さはほぼ同じであるのに対して、男性では薬指の方が少し長いことが多いのです。

 これは、お腹の中で育っている時に男性ホルモンの影響をどれだけ受けたかで変わると説明されています。この指の長さのバランスと、筋肉や脂肪の多さなどには関連があることが報告されていて、面白いものでは「ゲーム依存症には薬指の長い人が多い」というものもあります。

 2021年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学誌に、トランプを使ってポーカーの良い手札を引く確率と、薬指の長さとの間に関係がある、という論文が掲載されています。薬指が人さし指と比べて長いことが“幸運のしるし”かもしれないというのです。これは英国的ユーモアの部分があるので、あまり真に受けない方がいいのですが、皆さんも指の長さをちょっと気にしてみると、意外なことが分かるかもしれません。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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