幸先の良いスタートを切るための正月食事術

七草がゆを食べる良いタイミングとは? 7日が定番だが…

写真はイメージ

 「競り勝つ」という意味をもつセリは胃腸の働きを正常にするほか解熱作用があります。「なでて汚れを払う」という意味が込められたナズナ、いわゆるペンペン草の若葉にはミネラルが豊富に含まれています。「仏さまの体」を表すと言われゴギョウは漢字で書くと御形。咳止めや利尿薬としても利用されてきました。「繁栄がはびこる」とされるハコベラは止血作用に働き、産前産後や月経過多、歯槽膿漏の予防に、「仏さまの座る場所」を表すホトケノザ(仏の座)は胃腸を整える作用や高血圧予防に使われてきました。「神さまを呼ぶ鈴」という意味があるスズナは蕪、清白とも書き、「純白」という意味をもつスズシロは大根のことで、ジアスターゼという消化を助けてくれる酵素が含まれています。

■休み明けの2~3日前に食べたい

 とはいえ、もともと野草を摘んでいたことから始まった七草がゆです。かつては「七種がゆ」と書いていたこともあったそうで、その時代や時期、地域や家庭によって野菜の種類はさまざまです。七草がゆの代わりに青森県、岩手県、秋田県ではダイコン、ニンジン、油揚げ、コンニャクなど、根菜や大豆製品などの7種類の食材を汁物にするケの汁。山形県では納豆をすり鉢でていねいにすりおろしてとろみを出し、豆腐、厚揚げ、コンニャク、キノコ、山菜などと一緒に味噌汁にした納豆汁。福岡県では七草にプラスして、クジラ肉やブリを入れたり、カツオ菜を使い、味噌汁にする七草汁を食べたりもするそうです。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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