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命か職か…地球温暖化で問われる米国「大辞職時代」の労働

竜巻で壁が倒壊した米イリノイ州のアマゾンの倉庫.(C)UPI=共同

 こうしたニュースを目にして誰もが自分を振り返り、もっと賃金が高い安全な職場に移りたいと願うのは当然でしょう。

 大辞職時代に直面し、時給を上げたり、もっと福利厚生を充実させようという会社も出始めています。しかしそこには、5000万人以上が福利厚生がない職場で働いているという現代アメリカが抱える根本的な問題もあります。

 それを解決しようとする新たな動きが労働組合の結成です。ニューヨーク州バファローのスターバックス従業員の組合結成は大きなニュースになりましたが、巨大企業からどれほどの結果をもぎ取れるのかはまだ未知数です。

 しかし、こうした動きと同時に、利益のために賃金や福利厚生を極力抑えてきた行きすぎた資本主義への批判も頻繁に聞かれるようになりました。パンデミックをきっかけに始まった「働く」意味の見直しは、まだまだ続きそうです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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