独白 愉快な“病人”たち

ポルノスターまりかさん 米国での乳がん手術を振り返る 両胸全摘でも仕事続け殿堂入り

まりかさん(提供写真)

 一時は帰国を考え、お世話になっている雑誌「PENTHOUSE」のオーナーに相談をしました。すると、世界有数のがん専門病院「City of Hope」(以下CH)を紹介してくれて、「どんなタイプのがんか、どんな規模の治療が必要かを調べてからでも帰国は遅くないのでは?」とアドバイスされました。

 そのCHで検査したところ、私のがんはゆっくり進行するタイプだとわかり、腫瘍を取った後は抗がん剤ではなくホルモン治療しか効かないと言われました。ひとまず緊急性のないがんに安心して米国で治療することを選び、そのままその病院で手術を受けました。

 米国では医療も分業化されていて、手術をするドクター、放射線のドクター、乳房再建のドクター、治療プロジェクトをまとめるドクターなどそれぞれに予約を取って、説明を聞かなければなりません。それが本当に大変でした。もっといえば、血液検査さえもCH内ではなく、紹介された場所へ行かなくてはならないんです。

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