コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

「リカバリーウエア」はなぜ疲れが取れるのか 7割が効果実感

リフランスのルームウエア
リフランスのルームウエア(HLコーポレーション提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大による在宅ワークや巣ごもり消費が追い風となり、「リカバリーウエア」の売れ行きが好調だ。

「着るだけ」で疲労回復や安眠を促すことから、10年ほど前から疲労度の高いアスリートの間で広まり、いまでは一般層へと利用者が拡大している。

 機能性パジャマの製造・販売を手がける「HLコーポレーション」(東京都中央区)は、「リフランス」のブランド名で「パジャマ」「ルームウエア」「アイマスク」「ネックウオーマー」などを2019年から販売。昨年の上半期の売上高は、前年同期比2.4倍に伸びている。

 リフランスは、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に届け出が受理された「一般医療機器」(理学診療用器具の区分)。

 どんな仕組みで疲労回復を促すのか。同社・営業部の友部崇氏が言う。「リフランスは、シリカやトルマリンなど数種類の天然鉱石の混合体『プラウシオン』をコーティングした特殊な繊維や生地を使っているのが特徴です。鉱石が発する遠赤外線が、自律神経の中でもリラックス状態に働く副交感神経に作用し、筋肉の緊張をほぐし、血流を促し、疲労回復や安眠へと導くのです」

 遠赤外線を発するといっても、繊維が常に遠赤外線を発しているわけではない。リフランスを身にまとうことにより、体温の熱放散によって遠赤外線作用が増幅されることで効果を発揮する。室内でリラックスするときや睡眠時に使用する休養時専用の衣類になる。

 プラウシオン自体は1990年代に開発され、実験と検証が繰り返されてきた素材。これまでも日本健康促進医学会や日本トレーニング科学会などで「全身の血流改善」「筋・組織の再生促進」「ストレス軽減」などの検証報告がされている。

 もちろん効果の実感には個人差があるが、リフランス購入者へのアンケートでは「7割が効果を感じている」「3割が分からない」という評価が得られているという。

「いまは自分の睡眠状態を可視化できるさまざまなデバイスがありますが、把握できても生活習慣から短い睡眠時間を変えられないという人も多いと思います。リカバリーウエアの利用者の多くは、効率よく疲労回復をしたいというニーズが高いようです」

 リフランスは生活雑貨店や通販で購入でき、価格帯はパジャマで2万円台、ルームウエアで1万円台になる。

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