秒速薬膳でアッという間に健康に

スポーツで体づくりするなら手羽先で「強筋骨」の働きを高める

筋トレ手羽先
筋トレ手羽先(提供写真)

 新しい年を迎え、今年は健康のためにスポーツを始めようと気持ちを新たにしている方もいることでしょう。薬膳はスポーツによい体づくりにも役立ちます。

 スポーツにおける体づくりのポイントになるのが、質のよい筋肉づくりと骨の強化。そのためにまず必要なのが人間のエネルギー源である「気」と、体に栄養を与える「血」を補うことです。

 気の補充は、スポーツにおける持続力を高めることにも役立ちます。

 おすすめは鶏肉で、中でもぜひ取り入れていただきたいのが手羽先です。薬膳では、肉は部位ごとに異なる効能があるとしています。手羽先には、鶏肉本来の気を補う作用に加え、中医学で「強筋骨」という効能があります。なんとも強そうで頼もしい言葉通り、筋肉と骨をダブルで強化する働きがあるのです。久しぶりのスポーツで、ぐったり疲れてしまった……というときのスタミナアップにも高い効果を発揮します。

 魚介類ではウナギが手羽先と同様に気を補うとともに、強筋骨の働きを備えています。

 さらに「気の補充+強筋骨フルーツ」として役立てたいのがココナツ。ココナツは心臓の働きを強めたり、スポーツ時の疲労回復にも役立つ優秀な食材です。ココナツオイルやココナツミルクなどで取り入れたり、おやつにナタデココもよいでしょう。

 血を補うためには、肉類では牛肉やレバー、魚介類はカツオ、マグロ、イカ、野菜はニンジンやホウレンソウがおすすめです。

 さらに、スポーツのパフォーマンスアップには足腰を強化し、骨をつかさどる臓器「腎」のパワーアップも大切です。

 腎の働きを高めるためによいのが黒い食材。薬膳の考え方のひとつである「五行説」では、体の機能と色を関係づけています。腎をつかさどる色は黒。黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、海藻類、黒酢、黒砂糖などの黒食材は、腎の働きをしっかりと強化してくれるのです。

 中でも手軽に使えておすすめなのが黒ゴマです。血を補う作用もあるため、筋肉強化にも役立ちます。黒酢も腎のパワーアップに貢献する調味料で、血行を促進する働きも備えています。スポーツ後に筋肉痛になってしまったとき、回復を促すのに効果的です。

 また、クルミや栗も筋肉、骨の強化に優れたパワーがあります。どちらも腰痛の改善にも役立つ食材です。おやつなどでこまめに取り入れるとよいでしょう。

■スポーツによい薬膳レシピ

筋トレ手羽先
 気を補い、「強筋骨」パワーが高い手羽先に、腎の働きを高める黒ゴマ、クルミ、黒酢をプラスしたレシピ。手羽先の唐揚げがさっぱり、風味よくいただけます。

【材料】2人分
●手羽先の唐揚げ(市販品)   4本
●クルミ   10グラム
●黒すりゴマ   大さじ1
●黒酢   大さじ2

【作り方】
 器に手羽先の唐揚げを盛り付け、黒酢をふりかける。続いて黒ゴマをふり、粗く刻んだクルミをのせる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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