幸先の良いスタートを切るための正月食事術

正月太りの意外な原因 寝不足は甘いお菓子に手を出しやすい

寝だめより昼寝を

 また、健康な人が金曜と土曜の夜に寝ていられるだけ寝だめをした場合、夜に分泌されて眠気を誘うホルモンのメラトニンの分泌は、寝だめ前に比べて寝だめ後のほうが分泌速度、量ともに少なく、寝つきが悪くなってしまうということも報告されています。さらに恐ろしいことに寝だめをした場合、眠気度と疲労度が翌週の月曜や火曜に強くなることがわかり、仕事始めのだるさや鬱々とした気分の原因にもなってしまうのです。

 そこで提案したいのが「昼寝」です。これには賛否両論があると思いますが、夜遅く寝てしまった次の日はきちんと通常通りに起きて、お昼ごはんの後、午後1時~3時頃までに30分以内の昼寝をすると良いでしょう。 30分以内の昼寝であれば、浅い睡眠から覚醒するので目覚めも良く、作業効率が高まります。先ほどお話ししたメラトニンは午後1時~3時頃にも若干高くなるので、生理的に眠くなる時間帯なのです。逆に午後3時以降や30分以上の昼寝は、夜の睡眠に影響し、寝つきを悪くしますので注意してください。起き上がれなさそうという場合は、布団に入らず、机の上で突っ伏して寝るのも方法のひとつです。

 さらに夜の時間帯になったら、メラトニンの分泌を少なくしてしまう報告もあるテレビやスマホは寝る1~2時間前には見るのを止め、就寝時は照明をしっかり消すのがおすすめです。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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