60歳からの健康術

自由診療歯科医が教える歯のケア(1)フッ素入りジェルで磨き水でゆすがない

フッ素入りの歯磨きジェルで磨き、水でゆすがない(C)PIXTA

「健康で長生きしたい」と願うなら、理にかなった生活習慣を身に付ける必要がある。ならば、体が変化した今と若い頃とでは生活習慣や治療法を見直すことは当然だ。

 そこで、会社員の多くが一線から身を引く60歳を起点にどのような事柄を見直すべきなのか、さまざまな分野の専門家に指摘してもらう。初回は自由診療歯科医で「八重洲歯科クリニック」の木村陽介院長に「歯磨き」について聞いた。

 どんなにしっかり歯を磨いていても、年を重ねると誰しも歯肉がやせて下がっていく。長年の食事での噛み方や知らぬ間に身に付いた歯ぎしり、食いしばりなどで歯列も乱れる。当然、歯の磨き方も変えるべきだ。

「歯列がきれいで、歯と歯に隙間がなく、歯がピンク色でプリプリの歯肉に覆われ、細菌などから身を守ってくれる唾液がタップリ出ていた若い頃は、少々乱暴な歯磨きでも虫歯ができなかった人もいるでしょう。しかし、中高年は歯を守っていた、こうした機能が衰えてきて、ちょっとしたことですぐに虫歯ができてしまいます。その意識がないのは、多くの中高年は虫歯ができても痛みが出にくく、気がつきにくいからです」

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