腰痛のクスリと正しくつきあう

気温が下がる冬は「こわばり」に注意 体を温めると改善する場合も

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 気温が下がる冬は腰痛を訴える方が多くなる傾向が見受けられます。人間の体は冷えを感じると、熱を逃がさないように筋肉を収縮させます。これがいわゆる「こわばり」と呼ばれる症状です。また、冬は外出する機会も減少するため運動不足になりがちで座ったままの状態が続くことにより腰にさらなる負担がかかります。そのため、体を温めることで症状が改善する場合があるのです。

 まずはホットパックやカイロなどを使用して、体外から物理的に患部を温める方法を試してみてください。ただし、カイロなどで長時間温めていると低温やけどの可能性があるので注意が必要です。体温よりやや高めのものが皮膚の同じ場所に長時間接触し続けることで起こります。一般的には44度のものに約6時間接すると低温やけどになるとされています。とりわけ皮膚が薄くなっている高齢者は気をつけましょう。

 ほかにも、血行を促進する効果があるとされる食材を使った食事もおすすめです。ショウガに含まれるギンゲロールやショウガオール、トウガラシに含まれるカプサイシンなどは、発汗作用によって血流の改善を促す働きを期待できます。

 次回からは腰痛治療で使われる薬についてお話しします。

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池田和彦

池田和彦

1973年、広島県広島市生まれ。第一薬科大学薬学部薬剤学科卒。広島佐伯薬剤師会会長。広島市立学校薬剤師、広島市地域ケアマネジメント会議委員などを兼務。新型コロナワクチンの集団接種業務をはじめ、公衆衛生に関する職務にも携わる。

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