グレープフルーツのこの作用は腸管で発現するといわれているので、イリノテカンのような注射薬ではあまり関係ないと思われるかもしれません。しかし、イリノテカンは腸肝循環(注射された薬物が胆汁とともにいったん十二指腸に分泌された後、腸管から再度吸収され、門脈を経て肝臓に戻る循環のこと)をするため、影響を受けると考えられます。グレープフルーツの作用は3~5日続くというデータもあるので、少なくとも注射の前後には取らない方がいいといえるでしょう。
それでは、ミカンなど他の柑橘類ではどうでしょうか? フラノクマリン類の含有量は、同じ柑橘類でもそれぞれ違いがあります。グレープフルーツだけを見ても種類がたくさんあり、産地によっても異なるようです。
ちなみに、フラノクマリン類の含有量が多いのは、夏ミカン、ダイダイ、サワーオレンジ、ブンタン、スウィーティー、ハッサク、安藤みかん、晩白柚、ライム、キンカンなどが挙げられます。逆に少ないのは、温州みかん、カボス、ネーブル、バレンシアオレンジ、マンダリンオレンジ、日向夏、レモン、ユズなどです。
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