東洋医学を正しく知って不調改善

1500年続く日本の東洋医学は世界でどう評価されているのか?

天野陽介氏(提供写真)

 鍼管を用いた日本式の鍼灸は「痛くないはり」としていまや世界で広く用いられています。

 ほかにも日本で発展したものとして、痛みを伴わない軽刺激によるはり治療や、ごく軽微な刺激による小児へのはり治療、腹部各所に触れて痛みなどに応じて処方を検討する「腹診法」といった診断法もあります。

 日本では、西洋医学が主流となっている現在においても、西洋医学の知識と実践経験を持つ医師が、政府の認めた保険制度に基づき高度先進医療の現場などで漢方を併用していますし、その品質管理や安全性に関しても非常に高いレベルを保っています。

 古代中国に起源を持ちながら、その都度新しい工夫や発想が加味され、独自の発展を遂げてきた日本の「漢方」は、今後もますます世界における東洋医学の発展において重要な役割を担っていくものと考えられます。

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天野陽介

天野陽介

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員も務める。日本伝統鍼灸学会、東亜医学協会、全日本鍼灸学会、日本医史学会、日本東洋医学会所属。

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