日本人は「葉酸」が極めて不足…認知症・動脈硬化・うつ病のリスクが増大

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■1日400マイクログラムを目安に摂取したい

 葉酸がさまざまな病気予防に役立つことは研究で明らかになっている。

 いち早く指摘されたのが、胎児の時に発症する「神経管閉鎖障害(NTDs)」だ。流産や死産の割合が高くなり、脊髄が外に飛び出す二分脊椎の発症率を高める。妊娠前からの葉酸摂取でNTDsの発症率が低下することは複数の研究で証明されており、葉酸強化実施国では、NTDsのリスクが下がっている。

 一方、日本では妊活中の人や妊婦は推奨量240マイクログラムに加えサプリメントなどでさらなる量を取ることが望ましいとなっているものの、NTDs予防という意味では妊娠に気付いてから葉酸を摂取しては、既に妊娠初期に奇形ができてしまうので遅い。日本でのNTDs発症率は先進国の中で決して低くなく、二分脊椎発生率も増加傾向にある。

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